『“1フロアにつき1テナント”方式で行うビル経営について』
テナントビルを経営するオーナーは、1フロアに複数のテナントを入居させることもあれば、1フロアすべてを1つのテナントに貸し出すこともあります。
では、後者の“1フロアにつき1テナント”方式を採用することには、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
詳しく解説します。
1フロアにつき1テナント方式のメリット
・トラブルが発生しにくい
1フロアに複数の入居者がいる場合、共用部分の使い方などで、同じ階の入居者がトラブルを起こす可能性があります。
特に、異なる業種の入居者同士がいる場合、そのリスクは高くなるでしょう。
一方、1フロアにつき1テナントであれば、同じ階でのトラブルは発生しませんし、他の階の入居者同士が触れ合う機会も少ないため、オーナーは安心して経営できます。
・自由にレイアウトしてもらえる
1フロアにつき1テナント方式であれば、その階の入居者には、比較的自由なレイアウトを許可することができます。
もちろん、退去時には原状回復してもらう必要がありますが、募集条件によっては魅力を感じてくれる入居者が多く現れるでしょう。
1フロアにつき1テナント方式のデメリット
・空室リスクが大きい
例えば、1フロアに3つの入居者がいる場合、たとえ1社または1店舗退去したとしても、その階における賃料収入が完全にゼロになることはありません。
一方、1フロアにつき1テナント方式の場合、退去者が出るとその階の賃料収入は途絶えてしまいます。
また、テナントビルはそう簡単に入居者が決まるものでもないので、しばらくの間収入が少ない期間が続く可能性もあります。
・防犯設備を自己負担してもらわなければいけない場合がある
1フロアにつき1テナント方式の場合、基本的には各階のエレベーターを出たところから貸室が始まります。
そのため、機械設備などの防犯設備を設置するのが難しく、必要な入居者には自己負担してもらわなければいけない可能性があります。
もちろん、これはオーナーにとって、経営コストを抑えることに繋がるのですが、セキュリティ性やコストダウンを重視する入居希望者にとっては、あまり魅力的な契約条件ではありません。
まとめ
ここまで、1フロアにつき1テナント方式を採り入れることのメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
1フロアを自由に使いたいと考える入居者は多いため、この条件で募集すれば、ある程度入居希望者は現れることが予想されます。
ただ、オーナーにとって、ある程度リスクの高い方法であることは忘れないようにしましょう。
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