『オフィスの移転はなぜ居抜きでの契約事例が少ないのか?』
一般的に“居抜きでの移転=店舗”というイメージがありますよね。
ただ、オフィスの移転も居抜きで契約される場合があるのです。
店舗の移転に比べると圧倒的に事例が少ないですが・・・。
なぜオフィスを居抜き契約で移転する事例が少ないのか、その理由について解説します。
オフィスの移転で居抜き契約の事例が少ない理由①情報が少ない
オフィスの移転で居抜き契約の事例が少ないのには、そもそもオフィスの居抜き物件の数が少ないため、情報が少なく契約する方も少ないという理由があります。
またオフィスの移転には、“企業が移転する”という機密性の高い情報が含まれています。
したがって、なかなか世の中に情報が出回らないというのも、オフィスならではの特徴だと考えられます。
特に『オフィスビル』と呼ばれるようなビルは、ほとんどのオフィスが居抜きで出る事はありません。
オフィスの移転で居抜き契約の事例が少ない理由②居抜きで退去できる企業が少ない
オフィスの居抜き物件が少ないのには、“居抜きで退去できる企業が少ない”という理由があります。
オフィスに入居する際は、ほとんどの場合契約内容に原状回復の義務が記載されています。
居抜きで退去したいという企業でも、原状回復が契約に記載されている以上は、原則原状回復をしてから退去しなくてはいけません。
貸主側の視点からすれば、入居者側がオフィスとして綺麗に原状回復してくれて、次の借主にもリフォーム済みで貸せるのに、あえて『居抜き』で貸すメリットが少ないのです。
まとめると、“契約上居抜きで退去できる企業が少ない(貸主が認めてくれない)”→“オフィスの居抜き物件が増えない”→“オフィスの移転で居抜き契約の事例が少ない”ということになります。
オフィスの移転で居抜き契約の事例が少ない理由③仲介業者の負担が大きい
仲介業者は入居者と退去者、さらには物件のオーナーまですべての希望をまとめ、最善を尽くさなければいけません。
ただ仲介業者はオフィス移転の居抜き契約とはいえ、高い仲介手数料を受け取ることはできません。
仲介業者の仲介手数料の上限は、その物件の賃料の1ヶ月分と法律で定められています。
したがって仲介業者からすれば、同等の報酬にもかかわらず負担が大きいオフィス移転の居抜き契約は、あまり担当したくないのが本音です。
そのため、最初からオフィスの居抜き物件を取り扱っていないという仲介業者もあります。
まとめ
オフィスの移転における居抜き契約の事例が、なぜ少ないのか理解していただけたかと思います。
もちろんオフィスの居抜き物件がゼロなわけではありませんが、選択肢が少ない分妥協しなくてはいけない可能性も高いです。
ただ条件にピッタリの物件があれば、企業は削減できるコストも手間も多いため、検討してもいいでしょう。
こだわったレイアウトや内装などをしてあるお洒落で素敵なオフィスを壊してしまうのも、勿体無いのは事実です。オフィスの居抜きを見つけるのも工夫次第では面白いかもしれません。
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